写真の行方

 

集合写真の片隅に、きみはいた。わたしが持っている、ただ一枚のきみが写った写真だった。 他の誰もが笑みを浮かべているなかで、きみだけは違った。鋭い眼差しで、誰かを睨みつけている。その表情は不思議とわたしの目を離させなかった。 何度もその写真を手に取り、きみの視線の先にいる人間を想像した。友人か、嫌いな誰かか――あるいは、わたしかもしれないとさえ思った。 けれど、ある日その写真は消えた。机の引き出しにしまっていたはずなのに、跡形もなくなくなってしまった。誰かが持ち去ったのか、あるいは自分がどこかに紛れ込ませてしまったのか。 ただ一つ言えることは、その写真がなくなってから、きみの姿を思い出すたびに胸の奥が締めつけられるようになったということだ。 わたしは、きみが好きだった。その気持ちは写真を失ったあと、いっそう鮮やかに残った。

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